活動方針

【組合員の政治的活動の自由の保障】
 本組合は、組合員に対していかなる政治的活動も強制しません。他団体のデモやストへの参加を強制することもありません。

 

【良識ある教職員組織として】
 本組合は、悪罵を用いる大衆団交は行っておりません。団体交渉では、理路整然とした議論を活発に交わしています。
 法令違反及びそのおそれに対しては毅然たる態度で是正を要求しています。原則として団体交渉における解決を目指しますが、それが叶わない場合でも諦めることなく、刑事告発、民事訴訟、不当労働行為救済申立、労働基準監督署への通報などの手段を用いることもあります。
 組合員個人の個別的労働紛争の解決を支援しています。団体交渉を通じた解決交渉や労働法専門の弁護士の紹介も積極的に行っております。労働紛争の解決は初動が重要ですので、気軽に労働相談にお越しください。
 私立大学への補助金の増額や奨学金の拡充を要求する国会請願を行う私大助成運動を支援するなど、高等教育機関の教職員組合としての社会的責務を果たしています。

 

【横のつながりと連帯の強化を図る】
 近畿大学の教職員は、職場や研究室といった縦の形で組織され、学部・職場・職種横断的な横のつながりや連帯を行うのが難しい状況です。本組合は、横のつながりの交流と情報交換の機会を提供し、みんなが連帯して明るく、働きやすい職場環境の充実に努めています。

 

【ボトムアップでの意見集約】
 近畿大学では、教職員間の情報共有もままならないうちにトップダウンで様々な教学の問題が突然一方的に決定され、押し付けられています。本組合は、様々な教学の問題に対し、ボトムアップで意見を集約し、学園側と交渉しています。理事会がトップダウンで行おうとする制度の導入や改革に対抗できる場や力を、本組合は提供することができます。 組合に加入すると、所属部局に閉じこもっていると知ることができない大学全体の動きや財政状況を知ることができます。

 

【賃金や雇用を守る】
 組合は、教職員の信託を受け教職員の代表として団体交渉を行い、全教職員の賃金や雇用を守っています。近畿大学の教職員の賃金は、法人と組合との労働協約により決定されています。

 

【学園発展のための貢献】
 本組合は、労働者の利益だけに固執する守銭奴ではありません。学園の発展に貢献するために一定の譲歩も行っています。しかし、快適な労働環境の実現・保障こそが労働者のやる気を引き出し、学園の発展に資すると考え、労働者への不利益は最小限にとどめるよう交渉しています。

 

【効率的な組合運営】
 組合費として本俸の0.9パーセント(1ヵ月約3000~5000円程度)を年14回(月給とボーナス支給時)お支払い頂きます。ただいま加入促進キャンペーンを実施しており、新規加入組合員は加入後1年間組合費を免除しています。

 支出削減のため、本組合には専従職員はおりません(パート職員のみです)。組合費の主な使途は、上部団体加盟費、組合活動費(会議費・交通費・印刷費等)、顧問弁護士料、パート職員人件費などです。

 

【透明で民主的な組合運営】
 本組合は、ホームページを設けて情報公開を進めています。東大阪キャンパスと奈良キャンパスでは非組合員を含めた全教職員に組合ニュースを配布しています。他キャンパスの教職員の皆様もご要望があれば学内便でお送りいたしますのでお申し出ください。
 組合の運動方針や予決算は、すべての組合員が出席する年次総会において多数決で決定されています。組合の役員は立候補制で組合員の無記名投票選挙により選出されています。

2021年(第76期)活動方針

(1)労使関係全般

 法人との間に第1次・第2次包括協定を締結してきたが、今後は第3次・第4次包括協定において、以下の事項について合意することを目指す。有給休暇、通勤手当の遡及支給問題、講義換算(卒業論文指導、科学研究費等のプラス1コマ換算)、農学部教員の担任手当、大学教員に対する顧問手当、減年調整措置の就業規則(給与規程)化、入試業務の負担緩和、経歴換算、手当一覧、手当の支給に係る内規の規則化、オープンキャンパスの学生スタッフへの賃金支給、助手助教の増員、TA・SA制度の拡充、教授会改革、最低コマ数、増担分の任意性の確認、解決金(主任手当の遡及支払いを含む)、アカデミックシアターをめぐる問題、団体交渉のルール(労使協議会、理事長の団体交渉の出席)、ハラスメント手続。

 

(2)生活向上

 法人には十分な財源的余裕があり、組合は賃上げが不十分であると考えているので、さらなる上積みを求めていく。正確な財源を説明させ、賃金交渉を行う必要がある。

 能力給制度廃止に向けて一層の強硬姿勢が欠かせない。九州地区でも民事訴訟を起こす可能性を探る。開示された評価理由書を精査し、団体交渉を通じて不正な評価及び評価制度を是正させる。不服申立制度が機能しておらず抜本的な制度改革が必要である。評価に不服を有する組合員が民事訴訟を起こすよう救援すべきである。A評価者の開示、評価指標の開示などを通じて杜撰で恣意的な評価を浮き彫りにさせ、目標管理制度としての機能を果たしていないことを立証し、廃止に追い込みたい。

 附属校教員や地方の教職員の賃上げ、特に附属校教員では役職者よりも担任の、年配者より若手の賃金を引き上げなければならない。担任手当やクラブ手当、地域調整給や扶養手当の拡充(引き上げ及び人数制限の撤廃)を要求する。

 前歴換算表の開示を引き続き求め、開示されたらそれを精査し、不公正の是正を求める。

 入試出題手当の増額が実現したが、引き続き他の手当(個別入試・入試監督等)の引き上げを求める。

 文芸学部の主任手当の増額が実現したので、今後は過去に主任を経験した組合員への差額分の遡及支払いや、全学における各種役職手当の不均衡等について交渉する。

 第2次包括協定第4条・第9条で合意した、経歴減年調整措置と各種手当についても、引き続き協議していく。

 

(3)集合的労使関係

1.不当労働行為救済申立

 不当労働行為救済申立の多くは終了(不当労働行為の認定、あるいは取り下げ)したが、係属中の令和元(不)第19号・第31号事件の救済命令獲得を目指すととともに、認定された事件への法人の対応を監視していく。

2.過半数代表者選挙

 過半数代表者選挙については、新制度下での東大阪・奈良キャンパスの選挙結果を見守るとともに、全事業場で労働者が自発的に過半数代表者を選出する制度の実現を目指す。

3.時間外労働手当の請求

 昨年11月に時間外労働を申告した組合員有志3名に対し、本年2月に残業代が支払われたが、労基署は全教員の時間外労働を調査し、未払い賃金の支払いを勧告している。これを受けて法人は、2019年3月~2021年2月の時間外労働の調査を開始したが、組合員はまずはこれに回答し、かつ、それ以前の時間外労働についても申告したい。

4.裁量労働制

 法人は、第1次包括協定第4条で労働時間の把握を約束し、そのためのアプリの導入等も検討していたが、コロナ禍により実現できなかったと説明する。一方で、多岐にわたる大学教員の労働時間管理が難しいというのは確かである。労働時間管理をされることで研究や教育の裁量が制限されるという懸念も一方にあるが、組合は、法人が超過勤務の実態を把握し、その分の時間外労働手当を適正に支払うことで、過重労働を抑制することができると考えている。ところが法人は、労働時間管理の把握ではなく、専門業務型裁量労働制の導入へと舵を切ることにしたようである。

 一般に、多くの大学教員は裁量労働制で働いていると誤解している者が少なくないが、第3回 私学教職員の勤務時間管理に関するアンケート調査報告書(2017年6月調査)によれば、私立大学で裁量労働制を導入しているのは、わずか13.4%である。一方で、国公立では裁量労働制を導入している大学が多いが、仮に国公立大学での導入率を100%としても、日本の全大学の約8割を私大が占めていることからすれば、裁量労働制で働く大学教員は約3割に過ぎない。厚労省は大学教員への裁量労働制の適用要件を、「「主として研究に従事する」とは、業務の中心はあくまで研究の業務であることをいうものであり、具体的には、研究の業務のほかに講義等の授業の業務に従事する場合に、その時間が、多くとも、1週の所定労働時間又は法定労働時間のうち短いものについて、そのおおむね5割に満たない程度であることをいうものであること」と規定している。つまり、研究以外の労働を週20時間以下に抑えなければ裁量労働制は導入できないのだが、これに合致する私立大学など、ほとんど存在しないのではないだろうか。本学では、標準コマ数を週10時間(5コマ)としているが、実際にはもっと多くのコマ数を担当している教員がほとんどである。そして、実際の授業時間に授業準備や成績評価等を含めれば、これだけで20時間を簡単に超える。さらに、雑務の量も多いので、本学は到底適用要件を満たしていない。しかし法人は、労働時間管理をしていないのをいいことに、研究以外の時間を過小に見積もり、導入を強行しようとしている。

 裁量労働制それ自体が悪いということではない。しかし、これまで労働時間管理をしないことを逃げ道に過重労働を黙認してきた法人が、裁量労働制を良心的に運用するとは思えない。むしろ、これまで以上に過重労働を促進しやすい労働環境となる可能性のほうが高い。組合は、研究以外の業務の削減を大前提とすることを条件にする等、導入に際して慎重な議論を求めてゆく。

 

(4)研究教育環境改善

 法人は2021年度の授業形態を原則対面としているが、自身や家族の疾患等の理由から登校できない学生が一定数見込まれるので、それらの学生に配慮した授業を行うためには、なんらかのハイブリッド方式で授業を行う必要が生じる。しかし、ハイブリッド授業(特にハイフレックス型)の実施に係る補助はほとんど考慮されていない。これでは教員の負担が増大するばかりか、授業実施に際して多大な混乱が生じ、学生にも不利益が及ぶ可能性がある。すでにTAによる授業補助を認めているものの、現有のTAだけでは到底人数が足りない。組合員が個別にTAの増員を求めるも対応してもらえないという事例が複数確認されていることから、組合として正式にTAの拡充を含む授業補助体制の構築を交渉していきたい。さらに、授業形態の選択に際し教員の裁量を認めることや、感染対策の徹底等も併せて求めていく。

 また、包括協定で継続協議となっている研究休暇制度の拡充、事務手続等の簡素化、入試業務負担の平準化、学外兼職規程の改正、個人研究費増額と使途制限の緩和について、交渉を継続する。

 

(5)個別的労働紛争

 この一年で個別的労働紛争の多くが解決したものの、再発防止策を講じていないため、同様の紛争は今後も起こるであろう。その際には、団体交渉を通じて解決する道を探る一方で、必要に応じて訴訟等の法的措置も活用する。また、現時点では組合員が係属中のハラスメント事案が複数あるが、不公正な対応のないよう、監視していく。

 

(6)組合運営・組織強化・拡大

 組織率向上、特に組合員のいない学部や附属校における組織強化・拡大が喫緊の課題である。例えば拡大教授会(教員会議)後に説明会を実施する時間をもらえるよう交渉する、分会ごとに新歓懇親会を開催する(組合加入を迷っている人も誘う)、各学部附属校での組合共通掲示板の設置を要求する、新規採用者に勧誘用紙を学内便で送付する等の手段を講ずる。

 総務部メールボックス経由の組合ニュース等の配布について法人と協議し、全事業場の教職員に確実に配布することを約束する便宜供与協定の締結を目指す。

学部・附属校別掲示板設置、各キャンパス組合事務室設置活用等を含めた包括的便宜供与協定を締結するよう法人に要求する。

 他組合(学園組合、広島、医学部)に要求書や組合ニュースを送付し、意見交換を打診する。

 安全衛生委員会を活用して、組合代表として残業削減やメンタルヘルス問題の是正を訴え、組合の存在感を示す。

 前総会で合意されたイベント委員の任命は、コロナ禍により実現していないが、コロナ収束後には、夏期研修を含む日常の組合活動(勉強会・講演会・新規組合員勧誘懇親会等)を強化したい。分会ごとに新規勧誘のための懇親会を実施したり、ホテルや東大阪キャンパスのThe loungeでの親睦会等を開催したい。

 

(7)福利厚生活動

 現在行っている福利厚生を組合員の要望を踏まえ、さらに拡充させる。

 

(8)分会活動

 分会活動を活発化させるため、各部局での新規組合員増加を目指すほか、組合執行部が各 分会における諸問題を把握し、迅速に交渉を要求できる体制を作る。分会交渉では、教育研究予算の増額、予算執行手続の合理化・透明化、教員定数確保を統一要求とするほか、分会固有の問題についても随時要求していく。